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第1章 はじまりの街
ふと目が覚めたのは見覚えのない、木目がきれいで薄暗い木造の部屋だった。
「どこだここは…?」
目を開けた少年は自分がベットに寝ていることに気がつき、体を起こした。辺りを見回そうと立ち上がろうと手をついた。
「うお!?」
何か柔らかい感触があり、飛び上がった少年はその持ち主を見た。そこにあったのは静かな寝息で少女が寝ていた。外見は茶色のショートカット。顔は勝ち気のような太めの眉。長い睫毛。年齢は15、6くらいだろうか。
「何で俺が女子と寝てるんだよ…」
多少の喜びを感じつつ、ベットから出る。そこは初めて見る部屋だった。
「いや…待てよ…どっかで見たことあるような
…」
手を頭に当て考えているとゲームに没頭していた頃の記憶が頭をよぎった。_____このベットの配置…2つ並んでいる本棚…どう見ても俺が苦労して買ったものとしか思えない壺…。
「まさか…いやそんなわけないよな」
_____ここがゲームの中なんて事は。
少年はそれを確かめるために家の外に出た。そこはゲーマー達に言ったらとてつもなくうらやましがるであろうあのゲームの最初の街だった。
「おいおい…マジかよ…」
少年は気づいてしまったようだ。
_____ここがゲームの中だということを。
「どういう事だよ…」
なぜ俺はゲームの中にいるんだ?
なぜここにいるんだ?
さっきの女の子は誰だ?
いくら考えても答えは出なかった。
「なんでだよ…?」
少年は街を本物かどうか確かめるために歩き回り始めた。
「すげぇ…本物だ…」
少年が街を回るとそこにあったのは教会、武器屋、防具屋、道具屋などの無駄なものの一切ない簡素な建物が月明かりに照らされていた。徐々に空が明るくなって来ているのに気が付き自分の部屋?に戻り、ベットで寝る勇気はなかったので床で寝た。
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