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おいおいおい…。
ぽりぽりとスナック菓子をかじりながら、なんてことないみたいに爆弾を落とすそいつ。おーまいがー、もはや呆れて絶句しちまうぜ…。
なんでも5個上と7個上の兄ちゃんがAV観てるのを小学生の頃から混ざって鑑賞してたらしい。だからそういうのに対する倫理観がちょっとおかしくなってると自分でも認めた。なんて家だ。とーちゃんかーちゃん止めろよ。
でもだからって「誰とでもやれます」ってわけではもちろんなく。ただ、AV女優と俳優が演技としてキスその他絡んでるのを見て、こういうのは好きな人とじゃなくても出来ることなんだと初恋より先にわかってしまったらしい。
それを聞いた俺たちがビミョーーーな空気感に陥ったのは無理もないことだろう。
「…なんか不憫…」
「もうちょい夢持ってほしかったな…」
「…あの一応言っておくけど、あたしも人並みに恋はしたいと思ってるからね?どうせちゅーとかするなら好きな人とがいいし」
「でもやっぱ冷めてるってゆーか…なあ」
「美咲ダメだよ安売りしちゃ!AVはAVなんだから!」
「そう、所詮AVはAV!現実とAVは違う!」
「ええー、別にそういうつもりじゃないんけど…」
男の前であんまりAV連呼されても…と思う俺をよそに、女子は「現実はAVと少女漫画の隙間にある」のだと熱心にあいつに説明している。それはそれでよーわからん。
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