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ガンガン、扉を叩く音がした。
あによ、ようやく久留美が薄目を開けた。
ガチャンガチャン、扉の向こうで何かをしている。ガキン、扉が少し開いた。
パッ、強力なライトが部屋に差した。
「陸上自衛隊旭川駐屯地所属、矛狩二等陸尉! 5人、いるな」
「じえいたい・・・なの?」
予想外の声に、鈴瀬は口が閉まらない。
ジャッキが差し込まれ、扉がこじ開けられた。ぞろぞろ、十人を超える黒い戦闘服の隊員が入って来た。
「こちらニシパクル、管制室に達しました。民間人、5人を保護」
「了解。引き続き、制圧を続行せよ」
矛狩がヘルメットの無線で報告した。
向こうで受けたのは、仁台だ。太志郎は直感して、受話器を置いた。
「いらっしゃいませ」
久留美が寝ぼけ眼で言った。矛狩は笑顔で敬礼した。
「どこから入ったの?」
鈴瀬が問うと、矛狩は肩を揺らした。
「何と言うか、裏口から、ですね」
「裏口!」
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