2日目 午前6時32分

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 誰やら偉そうな数人が現れ、スクリーン横の席に着いた。彼らの前にはノートパソコンが開かれている。 「始めよう。まず、現状報告から」  偉そうな人の一人が言った。号令をかけた司会役が、スクリーンへ語りかけた。 「管制室です。ここの機械は、我々の操作を受け付けません。なので、画面の変化から分かった事を報告します」  画面の問田一曹が言った。広角レンズのせいで、顔が歪んでいた。  自衛隊が管制室と呼んだのは、5人がいた部屋だ。中央にテーブルがあり、壁に画面が並んでいた。  第一の画面について、二本の塔は宇宙へ電波を発信し続けている。目標は第5惑星と推測されるが、発信開始から20時間以上経っているにもかかわらず、応答は無い。  第二の画面について、これは施設の見取り図であり、リアルタイムの監視機構である。中央に20層以上の吹き抜けがある。各層には、10から15の扉があり、冷凍庫となっている。生死不明の宇宙人が冷凍状態にある。掃除ロボットが動いているが、我々の調査を妨げる物ではない。  第三の画面について、この施設を動かす動力炉の状況を示している。6個の容器があり、仮に番号で呼んでいる。1番から4番までが稼働中の動力炉で、5番は動いていない。6番の容器は空である。2番の動力炉が暴走状態なのか、非常に加熱している。1番と3番が接続されて、2番を冷やしているように見える。4番だけが平常運転のようだ。  第三の画面の隅に、カウンターのような表示がある。これまでの変化を計算すると、すべての文字表示が一つの文字で揃うのは、およそ午後9時前、約12時間半後である。  人海戦術の調査は、さすがと言える内容だ。
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