偶然

2/2
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
倒れていた。姿は、小さい熊だった。 「助けたくても、助けられない命だってあるんだ。世の中、特に、私が住んでる世界はそんな事ばかり起きるのよ」 運転席にいる、旦那に言った。 旦那は、口を開いた。 「僕らだって、いつかは、死んでしまう。悲しむのは分かるけど、生き物は皆、死という選択肢を持ち合わせて生きてくる。大体は、運命的に死を選択され、この世ではないところへ行く運命なんだ」 「でも、あなた死にたくないでしょう?」 「うん」 「ねぇ、もう1度あの道路へ、行けるかしら?」 「うん」 少し、うとうとしながら、車の助席に1時間乗っていた。 「ねぇ、姿がないわ」 「なんで?」 「分からないわ」 「横にいる、動いている緑の物体は何だ?」 「キャー、キャー、何?」 緑の、物体は体に張り付いた殻を破って動き出した。ひどく大きい物体だった。 「プッゥ、プッゥ、プッゥ」 「ウッッ、ウッッ、ウッッ」 「何故、生き返るのかしら?」 「分からない」 緑の、物体は歩き回っていた。  緑の、物体は家を破壊しだした。 「ねぇ?逃げましょう」 「うん、でも、逃げるとこの世の中は壊れてしまう」 「そうね、どうにかしないと‥」 「でも、私、1度車に戻るわ」 「仕方ない」 1度、深呼吸したところだった。 緑の、怪物が小さな熊に見えた。 大きく、深呼吸すると熊の姿も消えていた。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!