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倒れていた。姿は、小さい熊だった。
「助けたくても、助けられない命だってあるんだ。世の中、特に、私が住んでる世界はそんな事ばかり起きるのよ」
運転席にいる、旦那に言った。
旦那は、口を開いた。
「僕らだって、いつかは、死んでしまう。悲しむのは分かるけど、生き物は皆、死という選択肢を持ち合わせて生きてくる。大体は、運命的に死を選択され、この世ではないところへ行く運命なんだ」
「でも、あなた死にたくないでしょう?」
「うん」
「ねぇ、もう1度あの道路へ、行けるかしら?」
「うん」
少し、うとうとしながら、車の助席に1時間乗っていた。
「ねぇ、姿がないわ」
「なんで?」
「分からないわ」
「横にいる、動いている緑の物体は何だ?」
「キャー、キャー、何?」
緑の、物体は体に張り付いた殻を破って動き出した。ひどく大きい物体だった。
「プッゥ、プッゥ、プッゥ」
「ウッッ、ウッッ、ウッッ」
「何故、生き返るのかしら?」
「分からない」
緑の、物体は歩き回っていた。
緑の、物体は家を破壊しだした。
「ねぇ?逃げましょう」
「うん、でも、逃げるとこの世の中は壊れてしまう」
「そうね、どうにかしないと‥」
「でも、私、1度車に戻るわ」
「仕方ない」
1度、深呼吸したところだった。
緑の、怪物が小さな熊に見えた。
大きく、深呼吸すると熊の姿も消えていた。
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