『Up to one hundred souls of triplets』

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「えーと、確か[猿の手]とかいうイギリスの短編小説が元ネタとかだって、番組冒頭の解説で言ってた記憶があるけど。何かアレよ、よくある話で三つの願いをランプの精が叶えてあげよう系みたいな話で、その力を持っているのが猿の手のミイラだってだけの話」 「ああ、よくあるパターンの話ですね。でも、何でゾンビ、つまり、死人が出てくるんです?」 「うーん、前田君が格好良かったから、内容なんてあんまり覚えてないんだけど、確か夫婦が昔、猿の手のミイラを骨董商から買っていて、その猿の手の言い伝えが三つの願いが叶えられると聞いててえ、それを使って冗談半分に家のローンの残りを払いたいって願ったら、その分のお金が本当に入ってきたんだけど、そのお金は自分の息子、あ、この息子役が超カワイイ前田君ね。その前田君演じる息子が、仕事場の工場で事故にあって死んでしまって、その慰謝料としてのお金だったの。それで借金は払い終わったけど、夫婦はその代償として息子失って悲しい訳じゃない。だから、二つ目のお願いとして夫婦は、自分の息子を生き返らせてくれって、猿の手に願ったの。で、願いが叶い息子が家に帰ってきてドアをノックするんだけど……」 「帰ってきた息子はゾンビになっていたっていうオチですか?」     
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