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「ピンポーン。だから三つ目の最後のお願いは、息子を元通り死なせてやってくれっていうエンディング、だったと思う。もう、別にそんな話の内容なんかどうでもよくて、前田君がキモ格好良くカワイイ感じでえ……」
梅沢は肝心のドラマの内容よりも、アイドルの前田君について語りたがっていたが、久米は猿の手の話の方に関心が向いていた。ただその気のかかり方はやや独特だった。
死して肉体が朽ち果てていてもなお、かつての我が家に帰ろうとする執念。飽くなき帰巣本能は死をも凌駕するんだな。これはある意味ノスタルジィ。ホラーを超えた感動的なストーリーじゃないか。
と狙いが外れた感心をしていた。
「それで次回はスマッシュ・ガイズの末松君が出るのよ」
久米の内心とは他所に梅沢は、まだアイドル話を久米に持ちかけていた。久米も仕方ないので梅沢に話を合わせ、
「そのBSのドラマってアイドル主演の番組なんすか?」
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