『Up to one hundred souls of triplets』

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 と久米は店員に一言告げると、頑張って働いてるから疲れているんだな、俺って、と自嘲気味になりながら、久米由悠季と申込書に書き直した。  流行りの海外ドラマの品揃えは充実しているな、と久米は思いつつも、その足はホラー映画のコーナーに向かった。会社で猿の手の話を聞いたからか、久しぶりに恐怖モノを久米は見たくなった。また、久米自身も七十年代や八十年代の、まだ残酷描写の規制が緩かった頃のホラー映画は元々好きで、不定期にそれらのDVDを買ったりもしているので、グロいキモい映画系は得意ジャンルでもあった。  また、レンタルは久しぶりだな、と顧みると久米は同時に、レンタル店だと案外ホラーのDVDの品揃えが少ない、という印象があるので、あまり自分が望んでいるような、昔のホラー映画DVDがあるとは期待していなかったが、 「お、ハーシェル・ゴードン・ルイスの映画が揃ってるじゃん。うわ、スパニッシュ・ホラーのエル・ゾンビのシリーズまで置いてあるぞ」  とブツブツと一人言しながら、ホラーDVDの品揃えの良さにご満悦になった。     
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