『Up to one hundred souls of triplets』

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 久米は一瞬勘繰ってみたが、射光している長瀬の部屋の窓を一瞥すると、自分の部屋に戻った。  まさか夢じゃなかったよなあ、と久米は思い返しつつも、どちらにしても全くもって無駄で非生産的なイタズラ行為だ、と断じて、つまらん、こういう嫌がらせは一人暮らし独身女にでもやって興奮してろっての、どっかの変態君、とさらに念を押して、殊更、慄(おのの)きを引きずる事なく電気とテレビを消して布団にもぐり込んだ。  しかし、ふと今日の長瀬への昼飯代の貸しを思い出し、久米は再び起き上がり長瀬の部屋へ、深夜の陣中見舞いをしに行った。長瀬から一応すんなりと金を受け取った久米は眠気もあり、無駄話もせず先ほどのハプニングも長瀬に伝えぬまま、直ぐに自分の部屋に戻り、何も気懸りなく直ちに就寝してしまった。                    *  昨晩の不気味な出来事を特に気にする久米では無かったが、昨夜、近くのドラッグ・ストアでレジ強盗があった事を知ると、一抹の不安を抱いた。その事件の延長線上に昨日の不審な出来事が自分に起こったのではないか? と。ながら強盗的に自分の部屋に遊び半分に侵入しようとしたのではないか? とも。     
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