『Up to one hundred souls of triplets』

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 思わず本音の一人言を吐く久米。ある意味その発言はリラックスしている証左ともいえる。やはりその言葉に従ってダラダラとチャーハンを口にし、何の思い入れもなくB級SF映画を瞳で嗜める。  やがて食事を終えると簡単に食器の洗い物をすまし、ほとんど頭に入っていないDVDも見終え、今度は夜のニュースにチャンネルを変え、それをしばらくボケっと眺めていた。 時刻はいつの間にか零時をまわっている。  意外と時間が経つのが早いな。明日は午前中からバイトだからもう寝るか。  久米は早めに床に着く事に決め、テレビのスイッチを切ると、さっさと消灯して布団に潜り込んだ。しばらくすると久米の脳内はレム睡眠からノンレム睡眠状態に変わり、心地良い睡魔が久米を襲い、久米自身もそれを許容し始めた。  だが、まさしく眠りに落ちる寸前のその時だった。  ガチャ、ガチャ、ガチャ。  まただ。  雑音に直ぐに反応した久米の眠気は一瞬に霧散し、瞼は条件反射のごとき速度で開かれた。闇の中、ドアのノブが騒いでいる。昨晩と同じ擬音。不思議と前日ほどの恐怖感は久米にない。むしろ直感の方が冴えていて、驚きの類いよりも、半身を起こし冷静にその様を見つめている久米の状態がある。久米は特に身動きする事なく、時間が過ぎるのを待った。しばらくすると鍵の閉まったドアのノブを強引に回す音はなくなり、再び部屋には静寂が戻った。 「…………」     
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