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「うわ、どうでもイイ感じ。相当に病んでるわあ、俺らの会話チョイス。いや、お前といるとヤバい内容の喋りになるんだわ。俺はもっと高尚な話がしたいのによお。現代の社会情勢や、国際テロ問題とか、今後の内閣の政策は日本の安定した将来に繋がるのか、とかさ」
長瀬は一つ咳払いをして、
「じゃあ、久米さん。話変わって好きなAV女優は?」
と聞くと、
「野々村ジュリア」
と久米が長瀬を指さして即答すると同時に、長瀬も同じ女優名を口にしてハモらせた。久米が思わず苦笑いをすると長瀬は、
「ほら、俺と久米さんは似てるんすよ」
と満足げに告げて、ジュースではなくお冷の方を手にして、それを口に含んだ。一方、久米は残り少なくなったジュースを、ストローでズーズー言わせて飲みながら応じる。
「よせよせ。裸のお姉さんの趣味が似てるだけだよ。それに俺、お前と違って茶髪じゃねえし、染めてねえナチュラルな黒髪だし。んで、ラッパーまがいの服装もしてねえし、何処の田舎のヤンキーなんだよ、お前のファッション。俺なんてジーンズよ、ジーンズ。これほど無難なファッションはないっしょ」」
「人を身なりで判断しないで下さいよ。人間は性格すっよ、性格。どれだけ真面目に生きてるかってこと」
「そこだって俺は自信あるよ。俺はバイトのドタキャンのサボりは月四ぐらいだもん。かなり誠実で優秀なアルバイトだろ」
「あ、それを言うなら俺の方がエラいっすよ。俺は月二ぐらいですもん」
「嘘つけよ、週二の間違いだろ」
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