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僕は大学を卒業して会社員になって、みおプーもすっかり
お婆ちゃんになった。
ボケてお漏らしするようになったから、オムツ履いて
その姿がまた可愛くて。
最期は老衰で亡くなったのだが、
もうムートンの敷物で丸くなって寝る姿も、
「ふわあぁぁ」と魚臭~いアクビをする姿も、
見れないんだなってホロリとなった。
眠っているみおプーのオデコに自分のオデコをくっ付けて
僕はみおプーに声を掛けた。
「今まで本当に有難う。みおプー、またね」
みおプーが旅立ってからもう随分経つ。
僕は相変わらず元気で、最近は猫ブームが起こって
「猫の可愛さにみんなも気付いたんだなあ」
と嬉しくて。
嬉しいと言えば、朝方起きたてでボーッとしていると、
時々布団の上で「誰か」が寝ているのが判る。
小さい頃から幽霊とか人魂が見えたりするのが嫌で嫌で
堪らなかったのだが、今は見えて良かったと思う。
僕の心が寂しくなると、寂しさが心の壁になる前に
バリッと破りに来てくれてるんだなって。
きっと他の家の猫ちゃんも、大好きだった家族を守って
くれているに違いない。たとえ姿は見えなくても。
ようやく僕と一緒に寝てくれるようになったのが
嬉しくって、スーッと去って行く後ろ姿を見送りながら
僕は声を掛ける。
「みおプー、またね」
僕は今もみおプーと一緒に人生を歩んでいる。
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