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「立ったぞ!」
「あんな傷で良く立ったもんだ! 春の剣士!」
「春の剣士ってやっぱ只者じゃねぇ!」
春彦が立ち上がった瞬間、一気に湧き上がる観客席。
その節々から聞こえてくる声は、驚愕の声が殆ど。
「遠上様っ!」
「ハル! 良く立ち上がったぁ!!」
「そんな女に負けんな! ハルヒコ!」
「ハルヒコぉっ……! ゴホッ! ゴホッ!」
「師範! 無理をしては……!」
春彦側の関係者席からは今まで出会った戦友達や出会いの発端になった者、そして稽古をつけてくれた師の姿。
「やるな、あいつ」
「うちの姫の攻撃が見えなかったって訳じゃないんだろ? イサーク」
「あの師の弟子だ。見えない筈が無い」
「だよなぁー。――ゼルはあいつが勝つと思う?」
「無い。うちの姫が勝つに決まってるさ」
「ルタシャ、サヨを見守れ」
「はーい、ツェルファ様ぁー」
紗代側の関係者席でも各々がステージに立つ二人をジッと見守る面々。
『剣に宿れ……地と水の精霊……』
春彦が唱え、右手に持つ剣に魔法を付与する。
その剣は緑と水色の光を螺旋状に纏い、剣がエメラルドグリーンに光り輝き出す。
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