189人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ
報復の結末
選びなよ――
どっちを取るのもあんた次第。
◇ ◇ ◇
「……っ、放せっ! 嫌っ、嫌だー……ッ!」
狂気のような叫び声を上げて、もがき震えるその姿に、自らの中で至極の激情がくすぶり出すのを感じていた。
高級そうなスーツを剥ぎ取られ、肌触りのいいシャツを引き千切られて、あられもない格好で泣き叫ぶ。複数人の男たちに拘束され、今にも辱められんとしているその様を、高みの見物のように見下ろしていた。
いやらしく喉を鳴らして獲物に襲い掛かろうとしているのは、割のいいバイト料で俺が雇った男たちだ。
そいつらに裸寸前に剥かれて震えているこの男を組み敷いて、長い間くすぶっていた思いを遂げたのは、ほんの半月前のこと――一度悪に手を染めてしまえば更なる次を望むのは本能だろうか、この世で一番憎かった男を穢したことで治まるはずだった感情が、新たな欲望を生み出してしまうだなどと、その時は想像もつかなかった。
◇ ◇ ◇
最初のコメントを投稿しよう!