にゃーにゃーにゃー

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ここに来る前に鳩のおばさんに魚のことを聞くと、そう言っていたのです。 「でもさ、ミケ」 「何だい? タマ」 「ボクはこれが海だなんてちっとも知らなかったよ」 「ボクもカラス爺さんに聞くまで知らなかったよ」 二匹は空から目を離さず話続けます。 「こんなに近くにあったんだね」 「でも、タマは一度でも魚を見たことがあるかい?」 タマはミケの質問に少し目を細めて考えます。 自分が生まれてから、ずっとこの街で暮らし、この海の下で過ごしてきましたが、一度も魚の姿を見たことがありません。自分の頭の上なんて気にしたことがなかったからかもしれませんが……。 「ないと思う」 「でも、ニンゲンたちはいつも沢山獲っているだろう?」 「うん」 「どうやって獲っているんだろう」 タマと同様、ミケも魚が海を泳いでいるところを見たこともなければ、ニンゲンがその魚を獲っている姿も見たことがありません。しかし、ニンゲンが集まる場所には沢山の魚が置いてあるのです。 ミケは無意識に首を傾げてしまいます。 しかし、タマは 「そんなの簡単なことだよ」 と、ミケを見て笑いながら言うのです。 ミケは驚いて海から目を離し、タマを見つめます。 「ニンゲンだから獲れるんだよ」 タマは自信たっぷりに言います。     
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