307人が本棚に入れています
本棚に追加
「頭領の側近幹部で精鋭のあんたが実はこんな淫乱だなんて、組織の奴らが知ったらどう思うだろうな? 普段は穏やかな紳士面してクールだなんて言われてるアンタがさ? 部下の俺に突っ込まれて喘いでるなんて知れたらやっぱり困るんだろ?」
「……っ」
「なあ、どうなのよ? スカしてねえで何とか言ったら? それともいっそのことお館様の前ででもアンタを犯してやろっか? 男に組み敷かれて泣いてるアンタを見ればノンケのお館様でも案外触発されて興味を持ってくれるかも知れねえよな~? そしたらあんた、俺に感謝してくれる?」
クスクスと可笑しそうに男は笑った。
耳元を撫でる吐息混じりの侮蔑の声は、まだ男が到達していないせいか、逸り気味でいやらしさが剥き出しで、不本意にも欲情を煽る。その言われた内容も酷く不埒で勘にさわる。
『お館様の目前で犯してやろうか』だなどと、破廉恥で失礼この上ない。そう、失礼この上ないはずなのに――
ふと、その現場を想像してみれば、不本意にもカッと頬が熱を持った。
「なあ帝斗? 帝斗さん! どうなのよ? ブッ壊れるまで犯してやろうかって言ってんの! なんなら叫んでみろよ。パーティー会場のお館様に聞こえるくらいデカイ声で抵抗して泣き叫んでみろよ?」
最初のコメントを投稿しよう!