ある日の異変は迷惑極まり無し

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ある日の異変は迷惑極まり無し

「ん……朝……?」 窓から差し込む光が目に刺さる 九尾は不自然な感覚に苛まれ、眠い目を擦りながら体を起こす いつもより気持ち寝覚めのいい感覚が心地よく、顔を洗おうとベッドから洗面所へと向かう 久遠は寝ているのだろう、掛け布団の中に体がすっぽりと入っておりその顔は見えなかった 久遠が熟睡しているのは珍しい事だ、九尾は違和感を覚えながらも蛇口を捻り水を出す 冷たい水を手で掬い顔へ 冷ややかな液体が顔を伝う、太い骨が内にある頬の感触を確かめるように――――― ―――――――骨太……? 慌てて顔を上げる 鏡に顔が映った、そこには見知った顔が、だがそれは『自分ではなかった』 紺色の短髪は左に流れ軽く目にかかっている 紅の瞳は鋭く眼前を見据え、左頬には狐を模した紋様が見える そう、それは見間違えるはずもない相棒の顔だった よく見れば体を起こした時の目線も明らかに違う、凡そ25cmの差がある身長、節々に感じた違和感の一端はこれであろう 冷静に思考を巡らせる しかしいつまでも冷静ではいられない、予測が正しければ久遠も恐らく 「起きて、久遠起きて、ちょっと面倒なことになったわ」 布団の中に沈む久遠と思しき膨らみを揺する     
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