ある日の異変は迷惑極まり無し

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小さな手で串を持ち、小さな口で団子の一つを齧る あまりにもまどろっこしいが大口を開ける訳にもいかずこうして細かく食べている これを普段からこなしているのか……と一人ズレた感想を持った そんな矢先だった 頭上に影がかかる なんだろうかと顔を上に向けると、随分とテンプレートのようなチンピラが三人、自分を取り囲んでいた 「君今一人?」 「そうだけど」 「俺達今暇しててさ、良かったら一緒に遊ばね?」 「俺達ケッコー強いから外出てみない?悪いようにはしないからさぁ」 「断るわ、人を待ってるの」 「その待ってる間でいいからさ、ね?」 「執拗い、邪魔、折角の団子がその汚い顔とつまらない言葉で台無し」 「……ちょいちょーい、俺達ちょっと怒っちゃったなぁ?」 「傷付いたなーいやーこれは傷ついた、君に癒してもらわないとなぁ?」 ぐいと掴まれる腕、いい加減鬱陶しくなり一思いに弾き飛ばしてやろうと腕に力を込め――――― 「……あれ」 「はっはは!!そんな弱っちい力じゃ無理無理!」 (しまった、ついいつもの癖で―――――!) 普段なら絡まれた所で軽く腕を振るえばこんなチンピラは纏めて片付く が、今のこの体は『九尾』だ いくら司守として身体能力が高いとはいえ小柄な少女、筋力は大幅に下回ることもある     
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