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しかもこのチンピラたちの言葉が正しければ、外で生きる残るくらいの戦闘能力はあることになる
炎の力を使えば簡単に片付く、しかし今ここで慣れない炎を使えば木造の多いこの都市、何が起こるかわからない
(どうする……どうする……!)
「そんじゃ俺たちとわばッ!?!?」
腕を無理矢理掴み俺の体を持ち上げようとした男が眼前から消えた
それは遥か左方、大通りの道ど真ん中で大の字になり気を失っていた
「…………何をしてるんだお前ら」
声が響く、よく聞く声が
その方向に顔を向ければ、眉間やこめかみに青筋を浮き上がらせた久遠――――の体の九尾、恐らく依頼を終わらせたまたまここに居合わせたのだろう
その人の域を超えた力でチンピラの一人を吹き飛ばしたかと思うと、残りの二人の首を掴み持ち上げ、斜め上空に弾き飛ばした
小さく聞こえる悲鳴はやがて消え、手をはたく俺の姿をした九尾はこちらへ向く
「大丈夫?怪我は?」
「…………え、あぁ、大丈夫だ」
「そう、よかった……帰ろうか」
「……怒ってるのか?」
「別に、行くよ」
「ちょ、ちょっと待てって!」
一瞬顔を曇らせた九尾、自分の顔をマジマジと見るのはあまり気分が良くないが、その機微を感じ聞こうとした矢先に九尾はその大きな歩幅で置いていく勢いで、しかし絶妙に距離感を保って歩いていった
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