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約束から10年。
咲良が居なくなってから、恋愛を全くしなかったわけではなく、高志に紹介してもらったりしたが、僕自身が咲良以上に好きになる人がいなかった。
だけど、ようやく果たすことが出来る。
僕はもうすぐ結婚する。
咲良は僕にとっての一期一会。だからこそ僕はちゃんと前を向いて幸せになって、咲良を安心させたい。
「咲良…僕結婚するよ。今とても幸せだよ」
隣にいる人の手をぎゅっと握り、僕は桜の木に向かって呟いた。瞬間、ふわっと風が強く吹いて桜の葉が僕達2人を包み込んだ。まるで咲良が祝福しているように。
『陽汰、約束守ってくれてありがとう』
《完》
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