Ten years after.

6/6
前へ
/6ページ
次へ
約束から10年。 咲良が居なくなってから、恋愛を全くしなかったわけではなく、高志に紹介してもらったりしたが、僕自身が咲良以上に好きになる人がいなかった。 だけど、ようやく果たすことが出来る。 僕はもうすぐ結婚する。 咲良は僕にとっての一期一会。だからこそ僕はちゃんと前を向いて幸せになって、咲良を安心させたい。 「咲良…僕結婚するよ。今とても幸せだよ」 隣にいる人の手をぎゅっと握り、僕は桜の木に向かって呟いた。瞬間、ふわっと風が強く吹いて桜の葉が僕達2人を包み込んだ。まるで咲良が祝福しているように。 『陽汰、約束守ってくれてありがとう』 《完》
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加