第1章 パトロール

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ある日宇宙警察の職員であるオリビアが、ラジオで総合格闘技の太陽系世界選手権の中継が流れているのを聴きながら小型船でパトロールをしていた。 操縦席に脚を投げ出して退屈していると、小さな船を発見する。彼女が捕まえて調べると、それは密輸船で、大量の違法な物品がつまれていた。 その船にはクリストファー・クラヴィウスという男が乗っていたので、彼女は重罪であることを告げ、男を拘束し、自分の船の中にある拘束室へ連れて行った。 近くのコロニーへと連れて行く途中、クリストファーがオリビアを欺き、不意をついて彼女を組み敷く。 クリストファーはオリビアに乱暴をしようとするが、オリビアの胸もとにある紋様を見つけ、何かと尋ねながら手で触れる。 するとオリビアの胸もとにある紋様と、クリストファーの手が赤い光に包まれる。 オリビアは金髪の長い髪をかきあげながら起きあがる。 気がつくと、クリストファーの腕と首にはオリビアの紋様と似た紋様が現れていた。 クリストファーは、ただならぬ空気を感じ、必死になってオリビアに詰め寄る。 オリビアは蔑むようにクリストファーを見つめ、どこか冷めた様子で話をする。 オリビアは、自分が生まれながらに特異体質を持つということ、今クリストファーの身体にはそれによって呪いがかかったということを告げる。 腕と首の紋様は、クリストファーの血と生気を吸って成長するということ。クリストファーの生気をオリビアに送り続けるということ。そのままにしておくとクリストファーは死ぬということをオリビアは告げる。 呪いを解く方法はないと聞かされ、クリストファーは怒りにまかせ、オリビアを殴る。 殺すと叫びながらさらに殴ろうとするクリストファーの打撃をガードし、脇腹に肘鉄を入れるオリビア。 クリストファーが倒れた隙に、オリビアは操縦室へと走る。 クリストファーが追うと、すでにオリビアが緊急時の通報ボタンを押しており、船は緊急着陸態勢になっていた。 宇宙船内では、自動音声により、不時着する星の情報や、大気圏に突入するまでの時間が読み上げられる。 不時着する星の大気が高温のため、船が爆発するかもしれないという警告音が鳴り響く。
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