第2章 レオンハルト

3/4
前へ
/31ページ
次へ
クリストファーが周りを見回すと、小さな鬼のようなものが周りの岩壁にたくさん張り付いて、2人を眺めていた。 その小さな鬼は、2人を眺めながら理解不能な言葉で喋ったり、クスクス笑ったりしている。 驚いたクリストファーは思わず狼狽する。 このまま自分について来ると危険であることと、クリストファーがコロニーで指名手配されていることをレオンハルトは告げる。 どこの星でも大抵はよそ者に冷たいから、コロニーにもどっても苦労するかもね、とレオンハルトは話す。 クリストファーが、協力するから助けてほしい。儲け話ならあると話す。 レオンハルトは、引き返すのが嫌なら、今から崖から降りるからついてくるようにと言う。 クリストファーが崖から下を覗くと、とても降りられるようには見えず、奈落の底に繋がっているように感じられる。 小鬼が数匹クリストファーの脚に飛びついてきて、クリストファーはバランスを崩す。 レオンハルトの周りにも小鬼が集まってきて、レオンハルトの身体の周りに靄がかかったような煙のようなものが現れては消える。 足元のバランスを崩し、 腕で崖にしがみつくクリストファーをレオンハルトが突き落とし、自分も空中に跳ぶ。 小鬼も数匹、2人を追って飛びついてくる。 落ちていく空中で、クリストファーはレオンハルトの着物の端に掴まる。レオンハルトは、クリストファーの腕の紋様をじっと見ている。 加速度が増していき、底に大きな岩がいくつもあるのが見えてくる。クリストファーは思わず絶叫する。 レオンハルトは無言のまま。 底に激突する間際にレオンハルトの身体の周りにシールドのようなものが現れ、それが衝撃から2人を守り、助かる。 レオンハルトの身体の周りには狼の姿をした煙のようなものが現れている。 クリストファーの腕の紋様が、反応して赤く光っている。 狼の姿をした煙は、クリストファーの腕に顔を近づけて匂いを嗅いでいる。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加