第2章 レオンハルト

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気絶しているクリストファーをレオンハルトは起こす。 クリストファーは呆然とし、レオンハルトの背後にいる狼を指差す。 レオンハルトは、これは自分についている狼の霊魂だと話す。 2人は崖の底を歩き、年老いた巨大な鬼が横たわっている場所にまでやって来る。 そこでレオンハルトは、背負っていた大きな荷物を降ろし、中の食料を横たわっている鬼に喰わせてやる。 鬼はそれを食べた後、土を口から吐き出す。 レオンハルトがその土を集めて荷物にまとめているのを見て、クリストファーは何をしているのかと聞く。 レオンハルトは、この土には砂金が混ざっているから持って帰ると話す。 荷物を抱え、2人はまた歩き出す。 レオンハルトは、クリストファーに、帰り道はだいぶ遠回りになるけど地下都市を通って帰ると説明する。 自分は、この土地で神主としてだけでは生活していけないから、時々今日のようにして土を持ち帰り、土を洗って砂金にしているのだと話す。 この星では直接外気に晒される土地は荒れた岩石地帯で食物が育たず、コロニーの内部か、地下都市でしか食べ物が作られない。 地下都市と呼ばれる街には、人型や、アメーバ型や、いろんな種族の生物が混在して暮らしているようだった。 そんな街を歩いている途中、2人は人通りの少ない路地で、強盗目的の人物に絡まれる。 銃器を使う相手に対し、レオンハルトに付いている霊魂のシールドが完璧に彼の身を守っているのをクリストファーは見て驚く。 その騒動の後、クリストファーはレオンハルトに、格闘技の世界選手権に出てみないかと提案する。 レオンハルトのもつ能力をもって挑めば無敵であることと、一獲千金も夢じゃないと話すが、レオンハルトの反応は冷たい。 レオンハルトはクリストファーに、いつまで付いてくる気かと尋ねる。 地下都市にはいろんな種族がいるため、話の通じる生物も探せば見つかると、クリストファーを突き放す。 クリストファーは、レオンハルトがつけているイヤリングのことを聞くが、レオンハルトはこんな物そのへんの蚤の市で手に入ると言い、欲しければあげると言って投げて渡す。 荷物運びをした代わりに、クリストファーが背負っている土はあげると言って、レオンハルトはクリストファーを置いて行ってしまう。
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