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第4章 ノーガード
一方、クリストファーとレオンハルトも予選が始まる1週間前にはX星に到着していた。
クリストファーは日に日に顔色が悪くなり、体調も優れなかったが、頭の中は格闘技のことと賞金のことでいっぱいだった。
居ても立っても居られなくて、別の団体が主催する格闘技の試合を観戦してまわった。
今回のチャンスをもしも掴めなかったら、自分の人生は終わりだと思った。
なので、なんとしてもレオンハルトを勝たせないといけないと思い、レオンハルトにも格闘技観戦に行こうと誘うが、断られた。
レオンハルトは、その地のジムを訪ねては、トレーニングをすると言う。
クリストファーは格闘技観戦をしながら、酒を煽った。
手にした缶が空になって、観戦ドーム内で販売されている販売スペースへ向かう。
販売機の前で、受付案内のアンドロイドが、お辞儀をしている。
クリストファーは新しい酒を買おうと、上着のポケットからお金を出そうとする。
するとポケットからイヤリングが出てきて床に落ちた。
クリストファーはそれを拾って眺める。
それは、レオンハルトから投げて渡されたイヤリングだった。
観客席に戻ったクリストファーは、リングで行われている試合に目をやった。
リングでは、異種族間のキックボクシング、ヘビー級の試合が行われていた。
結果は、チャンピオンがKO勝ちで、何度目かの防衛に成功していた。
クリストファーは酒を煽り、試合会場を出た。
数日後、デッドとオリビアも試合観戦に訪れていた。
オリビアはデッドの護衛官として、外出は控えるように言ったのだが、デッドは聞く耳を持たなかったのだった。
オリビアは客席の足もとにイヤリングが落ちているのを見つける。
デッドもそれに気付いて、オリビアの方を見た。
複雑な模様の入ったイヤリングを見て、デッドはオリビアに似合いそうだと言う。
オリビアは見たことがあると呟くと、イヤリングを持つ手がわずかに震える。
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