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大阪ぐらいしか知らないと言ったら、大阪やったら二回は耐えれるでとか言ってた。
知らんがな。
「そのうちの何割かは確実にこっちに飛ばされてきてんねん。帰る方法も分からんし、こっちで生きていかなしゃーないわな」
まあ、そうだろう。
「そう言う訳で、もはや日本人なんて珍しくもなんともないっちゅーわけや」
なんて詰まらない……。
「日本人っちゅーのは逞しいわな。自分の持ってる知識や技術をフルに使ってな、こっちの世界でどうにか再現させよんねん」
「同じ物があるんですか?」
「正確には、同じような物やな。弄ってみた感覚が似たようなもんやったら、とりあえず自分の土俵に持ち込んでみる。後はトライアンドエラーや。それでどうにかしてしまうねんから、凄いわなぁ」
こいつもそうやで、と言って赤松さんは機関車の壁をばんばん叩いて見せた。
「それでも、だいぶちゃうけどな。まあ、馴染みやすいとは思うわ」
どうだろうか。
向こうの世界で馴染めなかった結果、俺は引きこもりをしてたわけで。
「まあ、とりあえずあれや。王様に会って色々聞いたらええわ」
「お、王様?」
「せや。これから自分が行くんは、王都や。ゲロと違うで?」
吐く真似をしてみせる赤松さん。
うーん、関西の方。
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