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ふり向くと、腰に手を当て、眉を怒らせて立っていたのは金髪碧眼の少年だった。白目があんまりなくて、青い目に見えるのがちょっと不気味。でも、こういうのがこっちの人達のスタンダードなんだというのは、駅に降りた瞬間から理解していた。
「おう、山田。待っとってん」
え、この見た目で山田なの?
「待ってたじゃないですよ!!」
あれ? この声……。
ひょっとして、車掌さん?
「おう、鉈出君。紹介しよう。彼が山田宗太郎君や」
「ちょっと……こっちの名前で紹介してくださいよ。その名前は捨てたんです」
「捨てたって……。せっかく親御さんがつけてくれた名前やろ」
「死にましたしね、僕。だからもう、山田宗太郎ではないんです」
そう言って、山田君は改めて俺の方を向いた。
「ノイゼです。ノイゼ・ヒューイットです。よろしく」
差し出された手はすべすべで、握るのを躊躇ってしまう。なんせ、がっさがさの汚い手だし。
「……よろしく」
折衷案として、少しだけ握って頭を下げた。
「あはは、日本人ですねぇ。なっつかしいなぁ」
何がだ?
握手が苦手な事?
つい頭を下げちゃう事?
「山田君はな、転生型やねん」
「転生型?」
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