《Mismatched conversation》

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《Mismatched conversation》

 〈ソワレ・一人暮らしの部屋にて〉    ある晩、月見里嘉緒翠(やまなしかおす)の携帯電話にメールが届いた。送信者は新愛聖詩流(にゅあせしる)。そのメールの内容は「今からお前の家に行くから」の一文だけ。月見里は実家を離れ一人暮らしのフリーター身分。時折、何の気兼ねもなく同学生の新愛は、突然月見里の家を訪れる事は多い。今も自分の部屋に居る月見里は、いつも通り何も考える事なく、「いいよ」と返信する。そして、十数分後、予定通り新愛は原チャリでやって来た。呼び鈴が鳴る。月見里はドアを開け、挨拶もそこそこに新愛を迎え入れた。脚の低い丸テーブルに月見里はペットボトルの冷茶とコップを二つ置くと、お互い座椅子に薄いクッションを敷き、胡座をかいた。  月見里嘉緒翠(以下、月見里)『やあ、どうしたんだい今日は?』  新愛聖詩流(以下、新愛)『いや、つまらない用事なんだけどさ』  月見里『君が面白い用件を持ってくる方が、まず無いだろ』  新愛『はは、確かに。とりあえず、これ見てよ』  月見里『ん、それはナイフじゃないか?』     
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