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新愛『そう、サバイバル・ナイフ。正式にはハンティング・ナイフ系とかいう狩猟に使うナイフに属していて、波刃の部位がファイン・セラミックスの素材で、それがどうのこうのかって事を店員が言っていて、三万円もしたんだぜ。俺はそういう刃物の性能や機能の知識は知らないけど、兎に角、切れ味抜群で刺し込み秀逸のナイフくれっていったら、これ紹介されたんで買っちまったんだ』
月見里『へえ。だけど君にそんな趣味なかったろ。どうしてそんな物を買ったんだよ。それにどうして僕の家に持って来たんだ?』
新愛『いや、お前をぶっ殺そうと思ってさ』
月見里『おいおい、突然何だよ。穏やかな話ではないな』
新愛『こういうのって突然起こるものじゃないか。思い立ったが吉日みたいに』
月見里『そういうもんかな』
新愛『だけどお前への殺意はだいぶ前からあったぞ。すっとブチ殺したいと思っていた』
月見里『それは知らなかった。僕も鈍いな。だけど、どうして僕を殺したいんだ? それなりにリスクもあるのに』
新愛『憎しみに損得勘定は通用しないよ。感情ってだから怖いよな』
月見里『と言う事は、何らかの打算で僕を殺そうとする訳ではないんだね?』
新愛『ああ、あくまで俺の気持ちに従ってだよ。つまり、至ってシンプルに個人的な恨みから、お前を殺っちまおうと。だからこれからお前は死ぬけど、勘弁してくれよな。やっぱ自分のフィーリングとかエモーションって抑えきれないもんだし』
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