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「おいー、 お前らの担任になる田中だよろしくー」
おい、 俺は今の瞬間に高校生活が不安になったぞ、 教師があんなダラけた奴でいいのか、 良いわけねーよ。
田中先生は今日、 入学式の日程を配り始めた。
まあ、 一般的なのと変わりようはない……いや待て何で入学式3時間もやるんだよ、 長いよ。
「君、 本庄君だよね? 私川名真名! よろしく」
「ん? あ、 ああ……」
俺がプリントに文句をつけていると右の席から見知らぬ女が話しかけてきたが、 名前に『名』が2つも入ってるよ、 変わってるな。
俺は適当に相槌をうち、 先生の方へ顔を向けた。
入学式で何故かバンドの発表を見る事になった俺達新1年生はとにかく呆然としてそれを終えた。
いやこうなるわ。
「ねーねー本庄君って頭良いの? 」
またコイツか、 暇なのか? いちいち話しかけてくんじゃねーよ名2。
俺はまた適当に相槌をうった。
「もー、 とりあえず報告。 後ろのドア見てみ? 」
「ん? ドア? 」
右手を腰に置き左手で何かを指差す名2を見てその方向に目線を向けると、 そこにはドアに完全にぶつかりそうな金髪のチャラ男が居た。
……坂上、 何で来た。
「幸! ちょっと話そうぜ~」
アホには口で言っても意味がないので、 俺は仕方なくそのアホについていき教室を出た。
坂上は別に自由に入って良いわけじゃないのに勝手に相談室に入り、 急にその場に倒れ込んだ。
汚い。
「校長の演説だけで50分だぜ? どう思うよ」
あのハゲそんな話してたのか、 それよりバンド1時間の衝撃が凄くて忘れてた。
ずっと立ちっぱなしで辛かったけどな。
「この高校毎年毎年校長の話がめちゃくちゃ長いんだってさー」
この世の終わりとでも言うように坂上は転がり回る、 だから汚いんだよ。
絶対指摘されるからな。
「何で黙ってんの、 別に襲いやしないって」
「んな事1ミリも思って無かったしお前のデカさで襲われたら恐怖の度が凄いから絶対やめろよな」
因みに坂上と俺は同級生じゃない。
坂上は今年転校して来ただけで高3なんだ、 何でわざわざそんな時期に転校したんだか……。
バカを極めてるな。
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