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「紗綾ちゃん、すごーい!はやーい!」
私の駿足を見たクラスメイトが興奮して感嘆の声を上げた。
「フッ……まぁ私が走ればざっとこんなもんよ」
今日は体力測定の日。
100メートル走で見事1位の記録を作った私は両手を腰に当ててふんぞりエッヘンのポーズ。
自慢じゃないが私は運動神経が抜群良いのだ。
「悪いな、紗綾」
この声……
愉快そうな声に振り返ると憎ったらしい笑みを携えている男が。
「俺はお前より0.5秒速くて、学年1位」
「何ぃ!?」
この嫌味な男は泰星。
小学校の時から私のライバル。
「残念だったなぁ~」
顎を少し上げて私を鼻で笑う泰星。
ほんっと、腹立つ!
「じゃあ反復横跳びは!?私、50回!」
「俺、55回。他の種目も聞く?でも自分の負けを痛感するだけだと思うぞ?」
イライライライラ!
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