君には勝てない

2/8
35人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
「紗綾ちゃん、すごーい!はやーい!」 私の駿足を見たクラスメイトが興奮して感嘆の声を上げた。 「フッ……まぁ私が走ればざっとこんなもんよ」 今日は体力測定の日。 100メートル走で見事1位の記録を作った私は両手を腰に当ててふんぞりエッヘンのポーズ。 自慢じゃないが私は運動神経が抜群良いのだ。 「悪いな、紗綾」 この声…… 愉快そうな声に振り返ると憎ったらしい笑みを携えている男が。 「俺はお前より0.5秒速くて、学年1位」 「何ぃ!?」 この嫌味な男は泰星。 小学校の時から私のライバル。 「残念だったなぁ~」 顎を少し上げて私を鼻で笑う泰星。 ほんっと、腹立つ! 「じゃあ反復横跳びは!?私、50回!」 「俺、55回。他の種目も聞く?でも自分の負けを痛感するだけだと思うぞ?」 イライライライラ!
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!