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サイコは胸を張っていった。
「別にかまわない」
最初はタツオから始めて、サイコが順番にそこにいる男子の顔を見つめていく。険しい表情でタツオに戻ってくると口を開いた。
「ひとつだけ覚えておくといい。男子が冗談のネタにしながらやる遺伝子採取も、女子は命がけでやらなきゃならない。何日も前から準備して、覚悟もいるし、苦痛にも耐えなきゃならない。それくらいたいへんなことなんだ」
ふっと息を吐いて、サイコは肩をすこし落とした。目の縁を赤く上気させていった。
「それは遺伝子採取だけでなく、実際の性行為も同じかもしれないけど。男子が気軽に考えていることでも、女子には一世一代の覚悟が必要なんだ……きっとね」
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