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ジャクヤが急に口を開いた。
「でも、サイコは嫌なんやね。家に勝手に決めたことなんて」
サイコはうなずいた。また強い目でタツオを見つめてくる。士官用の喫茶室の空気が急に重くなった。その場にいた全員が黙りこんでしまう。なぜみんな、自分とサイコに視線を送ってくるのだろうか、タツオは不思議に思った。テルがいきなりおおきな声をあげた。
「タツオ、おまえ、それでほんとにいいのかよ」
「えっ……」
「えっ、じゃないだろ。おれたちはみんなタツオとサイコがくっつくもんだと思ってた」
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