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ここが夢の中だっていうの?
たしかに、見渡すかぎりお花畑でファンタジックな光景だけれど……。
と、とりあえず、この人の話を聞くふりをしよう。無視なんかしてアブナイ人を怒らせちゃったら、恐いもんね。
「わ……わたしに用? な、なんでしょうか?」
「あなた、そちらのバクくんの力を吸い取ってしまいましたね?」
「え? バクくんって、この子のことですか?」
わたしは、いまだにわたしの頭をかみつづけているおチビちゃんを指差し、首をかしげた。
自称神様は、「はい、そうです」とうなずく。
「バクくん。この怪しげな人……げふん、げふん、神様とお知り合い?」
「こんなやつ、しらないばくぅ~。それより、ちから、かえせばくぅ~!」
よ……ようやくまともなコミュニケーションがとれた……。ちょっと感動。
でも、バクくんは自称神様のことを知らないって言ってるよ?
「彼がわたしのことを知らないのは当然です。わたしが彼のことを一方的に知っていただけです。だって、一度もまともに会ったことがありませんから。わたしは日本の神様であり、彼は中国大陸からやって来た伝説のケモノ・獏なのです。接点がほとんどありません」
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