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ということは、あの『オレさま』さんと、このちっちゃなバクくんは同一人物っていうこと?
わたしが力を吸い取っちゃったから、こんなにも小さくなってしまったの?
それで、ずっと怒っているのか。
うっ、何だか罪悪感が……。
「ごめんね、バクくん。わたしのせいで……」
わたしはバクくんにあやまったけれど、バクくんは相変わらず「ちから、かえせばくぅ~!」と言いながらわたしの頭を噛んでいる。
「というわけで、夢の世界で生きる鬼たち――夢幻鬼の中でも最強クラスであるバクくんの夢想力の大半が、いまはユメミさんのモノとなっています。そして、失われたバクくんの夢想力を取り戻す方法は、神であるわたしにもわかりません。
このままでは、夢の世界の平和を守ってくれる存在がいなくなり、わたしの仕事が増えて困っちゃいます。もちろん、人間たちも、たちの悪い夢幻鬼たちに悪夢を見せられて苦しみ、みんな困っちゃいます。困っているみんなを救えるのは、バクくんの力を受けついだユメミさんだけなのです」
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