4人が本棚に入れています
本棚に追加
/84ページ
つまり、いわゆる「夢だけど夢じゃなかった!」っていうやつ? ま、マジでか……。
がじがじ、がじがじ。バクくんがわたしの後頭部を噛んでいる。
頭が痛いのは、噛まれているせいか、あまりにひどい超展開についていけないわたしの頭が悲鳴をあげているせいか……。
「とりあえず、いまは学校に行ったら? なにか事件が起きたら知らせるから。こんなところで油を売っていると遅刻するわよ」
「え? ……あっ、そうだった! が、学校!」
あわてて腕時計を見ると、わたしが公園に入ってからだいたい3、4分がたっていた。
神様とけっこう長い時間話していたと思っていたのに、それほど時間はすぎていなかったんだ……。
でも、わたしの体力と歩くスピードだと、これ以上ここにいたら遅刻するかもしれない。
「い、急がなきゃ! ……あれ? ハクトちゃん?」
わたしが立ち上がってスカートについたほこりをはらっていると、ハクトちゃんは知らぬ間に消えてしまっていた。
……やっぱり、ハクトちゃんもただの人間じゃないみたい。たしか、自分は因幡の白兎だとか言っていたよね? 本当の姿はウサギだったりするのかなぁ?
最初のコメントを投稿しよう!