1 いきなり大ピンチ!

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 「オレさま」さんは、わたしが空を飛べたことにおどろいて動揺(どうよう)しているみたいで、飛ぶスピードはかなり落ちていた。 「つっかまえた~♪」 「わっ、こら! おまえは酔っぱらいのオヤジか! オレさまにふれるな!」  現実世界では引っこみ思案(じあん)で大人しいわたしだけれど、自分の夢の中でならだいたんになれる。  わたしは、逃がさないように、ガシッと「オレさま」さんにしがみついた。 「さあ! イケメンの顔を見せてもらおうか!」 「は、はなれろ! な……なんだか、力がぬけていく……?」  わたしにしがみつかれて、「オレさま」さんはジタバタとあばれた。でも、その抵抗する力はしだいに弱くなっていき……。  ん? 心なしか、「オレさま」さんの体、縮んでいってない? 「う、うわぁぁぁぁ!! ち、力が……力が吸われる~!!」  心なしどころか、あきらかに縮んでいってるよ!?  しかも、「オレさま」さんの体をおおっている黄金の輝きが消えていく!  な、なに!? なにが起きているの!?  おどろいたわたしが目をパチクリさせているあいだに、黄金の輝きは完全に失われてしまった。そして、わたしの目の前にいたのは……。 「ば……ばくぅ~……」  なんと、5~6歳くらいの可愛らしい男の子だった!  カンフーの道着(どうぎ)みたいな服装をしている、その小さな男の子は、ニンジンのように髪が赤い。くりくりの目はとても愛らしく、ほっぺたは指でつつきたくなるほどプニプニとやわらかそうだ。 「な、なんじゃこりゃぁ! 殺人的に可愛いんですけれど!?」
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