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白いマルチーズは眠っていて、
大崎夫妻の問いかけにも応じないほど、
熟睡していた。
その中に1匹。
見るからに人なつこそうなダックスフントがいた。
「あっ、
かわいい。
こっち見てる」
祥子が言い、
昇の顔をのぞき込んだ。
大きな愛らしい瞳で祥子の瞳を見つめるダックスは、
元気もりもりで寝転がって腹を上にして遊んでいた。
「飼いたいな~」
祥子がもう一度、
昇の瞳をのぞき込む。
「うちにはポチがいるだろ」
昇がすかさず駄目出しをする。
祥子は老犬のポチを頭に思い浮かべ、
「ポチか。
私、
ポチきらい」
何やらひとり言を言った。
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