愛か死か!家族の絆、殺処分についてのお話。

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 隣町の川原で拾ってきたこの老犬、 ポチは、 うちに来て既に15年経過していた。  見るからに老いぼれていて、 人間でいえば70歳くらいか。  雑種で、 人間の問いかけにも応じないほどもうろくしていた。  「ねえ、 あのダックスフント、 飼おうよ。 さっきからじっと私の目を見てる。 なんか運命を感じるな」  祥子は言い出したら聞かない性格をしている。  大崎夫妻は結婚して20年を迎えた。  子供はいなかった。  「ポチの弟か。 悪くないけど。 犬、 2匹もいらないんじゃね」  昇はショーケースに貼られたプレートの情報から、 ダックスフントがオスで、 産まれて2ヶ月であることを知った。
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