第1話 お母さん、ボク死んじゃうの?

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 尋常じゃない痛みを訴える息子に対し、 母親である光代はなんの対応も取らなかった。  そればかりか達也に対する執拗なネグレクトが続いた。  十分な食事を与えられず、 達也はいつも空腹だった。  あまりの空腹に耐えきれずに、 飼っていた猫の餌ばかりか、 光代の目を盗んでサランラップやアルミ箔まで口に入れていた。  達也は間もなく4才になるというのに、 1つ歳が下の子と比べてみても小さく、 がりがりにやせ細っていた。  友達はいなかった。  歳の近い子供達は気味悪がって、 病的にやせ細った達也に近寄ろうとはしなかった。  達也は今日も一人、 マンションの敷地内にある公園の砂場で遊んでいた。    砂場セットで砂場に山を作り、 来る日も来る日も砂場の山をくりぬいては、 トンネルを作っていた。
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