第1話 お母さん、ボク死んじゃうの?

13/23
前へ
/39ページ
次へ
 達也はこの錆び付いた真っ赤な三輪車が一発で気に入った。  うれしくてうれしくて仕方なかった。  達也は今日もダッシュで公園に向かった。  砂場で遊ぶことは、 ほとんどなくなり、 一人でこぐ三輪車がマイブームになろうとしていた。  達也は三輪車で坂道を勢いよく下る遊びをおぼえ、 坂下りが毎日の日課となった。  加速する三輪車は達也の好奇心を刺激した。  路面のすぐ上、 かなり低いところを走る三輪車はスピード感にあふれ、 どんな乗り物よりも速く走っている気がした。  坂を下り、 坂をのぼり、 ノンストップでまた下る。  そんなことを繰り返しているうちに、 友達が1人できた。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加