第1話 お母さん、ボク死んじゃうの?

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 山内まもるくんといって、 達也より歳が1つ上の子だった。  まだ引っ越してきたばかりで、 まもるくんにも友達がいなかった。  順調にいけば達也は、 まもるくんと同じ幼稚園に通うことになる。  まもるくんは達也と同じ、 一人っ子だった。  達也は、 まもるくんの家に呼ばれたとき、 初めてケーキをごちそうになった。  それは真っ白い色をしたショートケーキで、 白い生クリームがいっぱい塗ってあって、 真ん中には真っ赤なイチゴの粒が2つあった。  達也は夢見心地で、 夢中になってそれを食べた。  まもるくんは、 いつもこんなにおいしいものを食べているのか?  信じられなくて。  どうしようもなく、 うらやましくて。  その日から達也は、 何かと理由をつけて、 まもるくんの家に遊びに行くようになった。
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