第1話 お母さん、ボク死んじゃうの?

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 なるべく達也は動かないようにした。  そして3日が過ぎた。  達也は三輪車に乗って、 まもるくんに会いに行った。  空腹でフラフラになりながら達也は三輪車をこいだ。  公園まで普段なら5分で着くところを15分かけた。  けれども、 いつも遊んでくれるはずの、 まもるくんは、 なぜかよそよそしくなっていて、 代わりに2つ年上の田中くんが達也に遊ぼうと言ってきた。  「おまえんち貧乏なんだってな。 うまか棒、 もってきてやったぞ。 これうめ~んだぞ、 食えよ」  達也は、 うまか棒なんて見たことがなかった。  達也は生まれて初めて口にした、 うまか棒に、 ほっぺたが落ちそうなくらい感激した。  田中くんは農家の長男だった。  田中くんは三輪車の代わりにリヤカーで遊んでいた。
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