第1話 お母さん、ボク死んじゃうの?

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 このリヤカーは鉄でできていて、 二輪ではなく四輪だった。  自分のリヤカーをタクシーと呼ぶ田中くんは、 乗ってくれる乗客をいつも探していた。  達也は田中くんのリヤカーに乗りたいとは思わなかったけれど、 うまか棒をもらった手前、 乗りたくて仕方ないといった仕草をした。  「よし。 オレが後ろから押してやる。 乗れよ」  そう言って田中くんは達也をリヤカーに乗せた。  そして2本のハンドルを持ち、 後ろからリヤカーを押す。  リヤカーにはブレーキがついていたけれど、 ブレーキについて田中くんは、 何も言わなかった。
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