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このリヤカーは鉄でできていて、
二輪ではなく四輪だった。
自分のリヤカーをタクシーと呼ぶ田中くんは、
乗ってくれる乗客をいつも探していた。
達也は田中くんのリヤカーに乗りたいとは思わなかったけれど、
うまか棒をもらった手前、
乗りたくて仕方ないといった仕草をした。
「よし。
オレが後ろから押してやる。
乗れよ」
そう言って田中くんは達也をリヤカーに乗せた。
そして2本のハンドルを持ち、
後ろからリヤカーを押す。
リヤカーにはブレーキがついていたけれど、
ブレーキについて田中くんは、
何も言わなかった。
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