第1話 お母さん、ボク死んじゃうの?

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 言う必要がないと思っていた。  田中くんは達也を乗せ、 神社へ通じる道を通り、 木々であふれる住宅街を押して歩いた。  爽快だった。  空気がハッカのように感じられ、 風の中を走っているようだった。  そこには確かに風の中を走っているような爽快感があった。  「これで勢いよく坂道を下ったら、 格好いいだろうな~」  達也は田中くんの言葉にオーバーに賛同してみせた。  2人は坂道の、 ちょうどてっぺんにある1番高い場所を陣取っていた。  大丈夫だろうか……。  達也は不安だった。  でも恐いなんて、 口が裂けても言えなかった。  「平気、 平気。 へっちゃらだよ」  強がってそう言い放ったものの、 達也の顔は青ざめていた。
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