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ほんの小さな手がまだ眠っている蕾のようにゆっくり花開いた。
ピーッ。
狭い室内に電子音が響き、
心電図モニターの波形が直線になった。
心拍数のメモリがゼロを記録し、
手術室が騒がしくなった。
看護婦が持ち場を右往左往している。
「心肺蘇生」
「はい」
「人工呼吸、
開始」
AEDの準備が進められ、
わずかな時間を縫って人工呼吸が繰り返された。
AEDを人体にあてる。
体が電気ショックでわずかに反応するものの、
心臓は停止したままだった。
何度も繰り返された心臓マッサージは医療の甲斐なく徒労に終わった。
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