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田中くんがリヤカーを押した。
リヤカーは、
そろそろと、
ゆっくり坂に入っていった。
そして坂に入った途端、
猛烈な勢いで加速し始め、
一気に坂を下っていった。
ぐんぐん加速するリヤカー。
坂道を下るスピードがMAXを迎えた。
リヤカーのハンドルを持ち続けるのは、
もはや困難だった。
つまずいて転んだ田中くんを置き去りして、
ものすごい勢いでリヤカーが坂道を下っていく。
「助けて。
助けて~」
達也は叫んだ。
このまま行けば坂の下のブロック塀に激突してしまう。
声を振り絞るものの、
辺りに人影はなかった。
坂の出口にバスが見えた。
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