第1話 お母さん、ボク死んじゃうの?

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 時刻を3ヶ月前まで巻き戻してみよう。  達也は元気に公園で遊んでいた。  小さな手でハンドボールを抱えようとする達也。 手が小さすぎて、 ボールをなかなか持ち上げることができない。  右足を使って達也はボールを蹴り上げた。  公園には達也と啓介の他に人はいなかった。  ボールは3メートルほど転がり、 啓介の前で静止した。  啓介がボールを軽々と右手でつかんだ。  父親である啓介……というより、 達也の母、 笹川光代が再婚を考えている荻野啓介は、 トラックの運転手をしていて、 週末だけ家族のまねごとをしに光代のもとを訪れていた。
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