第1話 お母さん、ボク死んじゃうの?

5/23
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
 啓介はいつもイライラしていて、 得意先から怒鳴られるたびに、 将来の息子、 達也に向けて怒りをぶちまけた。  達也に小言を言い、 啓介が手を上げる。  母親の光代は見て見ぬふりをして、 何も言わない。  達也はどうして叱られるのか意味が飲み込めず、 ただ黙って下を向く。  頬を叩かれる達也。  口の中が切れ、 甘い血の味が口いっぱいに広がった。  いつものことだ。  達也は下を向き、 悲しい表情を浮かべた。  母親の光代は、 達也が叩かれても顔色ひとつ変えない。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!