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谷中に変わる日*morning
目覚ましが大きな音で騒ぎ始める前に、目が覚めた。
睡眠不足に違いないのに。
それは、スッキリとした清々しい目覚めだった。
蓮はまずスマートフォンを手にした。
「もしもし?おはよう」
向こう側にいるのは、母だった。
蓮は何度も、驚かないように念押しした。
「あのね、お母さん。…私ね、結婚、しようと思うの」
電話の向こうで、母が絶句しているのが目に浮かんだ。
「それでね、その人と今日これから、行こうと思うんだけど。お母さんもお父さんもいるよね?きーにいちゃんもいるかな…会ってくれる?」
蓮の胸がドキドキと音を立てていた。
緊張と恥ずかしさで、ドキドキドキドキと。
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