出会いと別れ

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条件として、家族とともにメノウ国に来ること。 家族はオムステッドの自由を制限するための鎖だった。 そんな条件があるなか、オムステッドは祖国ヴァッサリカ公国の手を借りて、アルシュファイド王国はもとより、それ以外の国々の人をもメノウ王国脱出に導いた。 やがてそれがメノウ国王の知るところとなったのか。 オムステッドは命を奪われることになった。 その目が最期に見たのは、愛しい妻と幼い息子。 目を閉じると、空から降る桜の花びら。 そして。 出会ったうさぎのような子。 オムステッドの唇には、笑みが刻まれていた。
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